プレスリリース

住友重機械工業株式会社とLAES商用実証の共同実施 2023年1月18日
 

 広島ガス株式会社(本社:広島市南区、代表取締役社長 社長執行役員:松藤 研介)は、住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下村 真司)とパートナーを組み、LAES商用実証の共同実施に関わる「業務提携契約」を締結いたしました。
 広島ガス廿日市工場敷地内に、住友重機械工業が「LAES商用実証プラント」を設置し、実証運転を開始いたします。

 本設備は、住友重機械工業が2020年2月にエネルギー貯蔵技術の取得を目的に出資した英国のハイビューエンタープライズリミテッド社(Highview Enterprises Limited、以下「ハイビュー社」※1)が先導する液化空気エネルギー貯蔵(Liquid Air Energy Storage、以下「LAES」※2)技術を活用した日本国内初の商用実証プラントです。
 LAESとは、液体空気の形で電力エネルギーを貯蔵し、必要な時に取り出す技術です。LAESシステムでは、電力を利用し圧縮・冷却して液化した空気をタンクに貯蔵、必要に応じて再気化させ、膨張エネルギーを利用してタービン発電機により電力を供給します。
 本取り組みにおいて、空気を液化する際の冷却プロセスに、廿日市工場のLNG(液化天然ガス)の冷熱を活用します。
 当社は、廿日市工場において、LNGの気化に必要な温水をボイラ等で供給しており、LNGの冷熱を本設備に供給することで、本設備の充電効率の向上に貢献すると同時に、ボイラの省エネ・省CO2など、LNG冷熱の有効利用を図ります。

 なお、本取り組みでは送配電会社との個別契約に加え、卸電力市場、需給調整市場、さらには容量市場での運用によりLAESの活用を実施していきます。

 本取り組みを通じて、両社は、今後需要の見込まれる蓄電市場を追求するとともに、LNG冷熱の有効活用により、環境負荷の低減とLAESの知見の集積に寄与することで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

【商用実証の目的】

  1. ① 設計・建設における法令・規格への対応
  2. ② 日本の系統運営や電力需給市場への対応と合理化
  3. ③ 未利用冷熱の相互利用による効率改善・省エネ効果検証

 本目的に沿って、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの余剰電力を活用して充電し、電力需要の高いタイミングに放電をすることで、脱炭素および電力需給の安定化に寄与するものです。

【LAES商用実証の概要】


LAES商用実証の概要

【設備の概要】

LAESシステム クライオバッテリーTM
容量 4.99MW x 4時間貯蔵(充電4MW)
電力市場
  1. ① 卸電力市場 :2MW(最低負荷想定)
  2. ② 需給調整市場:3MW
  3. ③ 容量市場  :4.99MW
建設予定地 広島県廿日市市木材港南12番20号
運転開始予定 2024年(予定)

※1 【ハイビュー社の概要】

会社名 Highview Enterprises Limited
設立 2005年
本社所在地 英国 ロンドン
事業内容 液化空気エネルギー貯蔵システムの技術開発設計

※2 LAESシステムは、以下の3つのプロセスから構成されています。

  1. ① 充電:オフピーク時の電力または余剰電力を利用し空気液化設備を作動させ、液体空気を生成します。
  2. ② エネルギー貯蔵:液体空気は低圧で断熱されたタンクに貯蔵されます。
  3. ③ 放電:発生した高圧ガスがタービンと発電機を稼働し、電力を生成します。

以 上

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