プレスリリース

カーボンナノチューブの本格的マーケティング開始について
〜クリーンエネルギーの拡充による水素社会への貢献〜
2016年1月28日

戸田工業株式会社
広島ガス株式会社
 戸田工業株式会社(以下、戸田工業)と広島ガス株式会社(以下広島ガス)は、戸田工業が進めるカーボンナノチューブ(以下、CNT)の事業化にあたり、ラボ試験からのスケールアップ等について共同で検討を進めて参りました。
 そしてこの度、戸田工業は、広島ガスの海田基地内に、都市ガスでの実証運転を目的としたパイロットプラントの建設(2016年4月竣工予定)を決定し、基礎検討を行ってきた多層CNTの本格的なマーケティングを開始いたします。

 CNTは、電気伝導性、熱伝導性や補強性など様々な特徴を有しておりますが、分散が難しい材料と位置付けられ、市場への普及が遅れています。
 戸田工業はこの度、分散し易いCNTの開発に成功し、量産化の目途を付けました。開発したCNTは、分散性に優れているため、分散液の高濃度化も実現できます。今後、CNTの電気伝導性、熱伝導性や補強性といった特徴を生かし、リチウムイオン二次電池(以下、LIB)やキャパシタ等への導電材、導電助剤用途を中心に、幅広い市場への展開を目指しています。

(LIBへの応用例)
 LIBは、電気自動車やハイブリッド電気自動車、定置型電源などのエネルギー分野で、その応用と発展が期待されています。
 CNTを電池の電極内部に数%添加することで、内部にCNTと活物質のネットワークが形成され、導電性が向上します。また充放電に伴う電極の膨張収縮に容易に対応することで高寿命化や電極の厚塗りによる高容量化が目指せます。

 また戸田工業は、このCNTの製造方法に天然ガス等の炭素源を含む炭化水素ガスを用い、CO2を排出させず直接CNTと水素を合成するという直接改質法を適用いたしました。これにより、様々な特徴を持つCNTの合成とともに、今後クリーンエネルギーとして期待される水素を同時に合成することが可能となります。
 広島ガス技術研究所とは、将来のCNT量産化に向け、生成した水素の回収、精製技術の検討を始めるとともに、生成した水素の分析評価や用途研究等で連携し進めていきます。

 両社は、本CNTの市場展開により蓄電デバイスへの応用やCO2を排出せず合成されたクリーンエネルギーである水素の応用展開を通じて低炭素社会の発展に貢献していきます。

以 上


【参考資料】
1.CNTについて

戸田工業開発CNT粉

従来の難分散CNT粉によるCNT分散液

戸田工業開発高濃度CNT分散液
2.両社の会社概要
戸田工業の概要
本社所在地 : 広島県広島市南区京橋町1番23号
設   立 : 1933年11月
事 業 内 容 : 機能性顔料、電子素材の製造・販売。
代 表 者 : 代表取締役社長 寳來 茂
広島ガスの概要
本社所在地 : 広島市南区皆実町二丁目7番1号
設   立 : 1909年10月
事 業 内 容 : ガス事業、ガス器具の販売、液化天然ガスの販売。
代 表 者 : 代表取締役社長 社長執行役員 田村 興造

3.問い合わせ先
戸田工業株式会社
経営企画室 経営企画グループ
TEL:082-577-0055

広島ガス株式会社
経営統括本部 広報環境部 広報グループ
TEL:082-252-3000

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