本日、空気の力を利用した
屋根浮上工事を行いました!

(廿日市工場 NO.2LNG貯槽建設工事)

 広島ガスでは、お客さまへの安定供給の確保と天然ガスの需要増に対応するため、天然ガス製造の主力工場である廿日市工場において1999年5月から2基目のLNG貯槽の建設を進めています。
 工事は、2001年7月に貯槽の基礎など土木工事を終了し、引き続き貯槽本体工事を進めてきましたが、本日、貯槽屋根を空気の力を利用して所定の高さまで浮上・固定する、屋根浮上(エアーレイジング)工事を行いました。

1. 全体工事概要
工事名称  廿日市工場 NO.2LNG貯槽建設工事
貯槽型式  ピットイン式二重殻平底円筒型LNG貯槽
貯槽容積  85,000m3
内 容 物  液化天然ガス(LNG)(温度-164℃、比重0.45)
仕  様  内槽直径 約53.7m、外槽直径 約55.7m
材  質  低温用9%Ni鋼、炭素鋼、保冷材(パーライト等)
施 工 者  (土木工事)大林・鹿島・清水共同企業体
 (機械工事)川崎重工業
2. 屋根浮上工事概要
屋根浮上工事概要図  屋根浮上工事とは、貯槽底部で組立てた貯槽屋根を送風機から送られた空気の力で、所定の高さまで浮上させ、所定の位置に固定させる工事をいいます。本工法は、所定位置での屋根組立に比べて、作業の安全性を確保でき、工程を短くできるメリットがあります。
 1)屋根重量  総重量約600t
 2)屋根面積  約2,200m2
 3)浮上高さ  約36m
 4)浮上圧力  280mmAq
   (=ゴム風船程度の圧力)
 5)浮上速度  最大12m/h
 6)浮  力  約616t(=屋根面積(2,200m2)×浮上圧力(0.028kg/cm2))
 7)浮上時間  約4時間
貯槽屋根浮上中
貯槽屋根浮上中
貯槽屋根浮上完了
貯槽屋根浮上完了
3. 今後の予定
 本工程後、今秋には貯槽内部に仮に水を張り、本体や基礎に異常が生じないことを確認する「水張り試験」を実施します。また、ポンプや配管などの付属設備工事なども同時に進め、平成15年秋頃には完成の予定です。
<参考1.LNGとは>
LNG(液化天然ガス)とは、メタンを主成分とし、不純物をほとんど含まないクリーンなエネルギーです。燃料として使用した場合、有害な硫黄酸化物(SOx)やばいじんを発生することがなく、窒素酸化物(NOx)も他燃料に比べ極めて少量です。二酸化炭素(CO2)も化石燃料中で最も少なく、地球にやさしいエネルギーといえます。
LNGは、採取された天然ガスを産ガス地で精製・液化したもので、温度が約−160℃と極低温であることから、特別のタンカーやタンク施設で輸送・貯蔵する必要があります。
広島ガスでは、このLNGを専用タンカーでインドネシアから受入れ、廿日市工場で再び天然ガスに戻し、都市ガスとしてお客さまのもとへお届けしています。
<参考2.ピットイン式LNG貯槽とは>
LNGは、温度が約−160℃と極低温であることから、これに対応した2重構造の断熱性タンクに貯蔵する必要があります。
大型のLNG貯槽では、下図に示した地上式または地下式とよばれる方式が一般的ですが、廿日市工場では、地中に構築したピットの中に地上式貯槽を収納した、ピットイン式貯槽(国内唯一の型式)を以下の理由により採用しています。
1) 宮島の対岸に位置することから、設備高さを押さえ、周囲景観との調和を図るため。
2) コンパクトなレイアウトを実現し、また近接護岸へ影響を与えない型式とするため。
3) 貯槽内のLNG液位が地表面以下にあり、安全性能が高いため。

地上式
地上式
 
 
地下式
地下式
ピットイン式
ピットイン式


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広島ガス株式会社
HIROSHIMA GAS Co.,Ltd