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大正 |
第一次世界大戦中の石炭価格とガス事業
第一次世界大戦が始まり、日本は空前の大戦景気となりました。その中で、ガス業界は原料である石炭価格の高騰で非常に苦しい経営状況に。しかしその後、一転して不況の波が押しよせ、好況中に経営を圧迫していた石炭価格が暴落。当時、ガス製造費の大きなウェイトを占めていた原料価格の下落は、ストレートにコスト削減に繋がり、また、熱利用としてのガスのライバルであった薪炭価格の値崩れが少なかったということも相乗して、この不況はガス事業にとってプラスとなりました。
電気の進出によって、照明から熱事業への転換を迫られていた当時、旧来型の燃料との格差がシェアを伸ばす要因になったのです。
関東大震災
大正12年の関東大震災は、ガス供給にかなりの打撃を与えましたが、その反対にプラス面もありました。これだけの地震、火災の中ガス工場やガスタンクの発火は1件もなかったということが、それまでの「ガスは危ない」というイメージを覆したのです。
その後、大正14年には「ガス事業法」が公布されるなど関東大震災を挟んだ大正10年代の数年間は、ガス事業が公益事業として確立し、経営が拡大した重要な時期となりました。


