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  「青」のちから

 夏本番! 燃えるような太陽。小麦色の肌。空には白い入道雲。そして青い海。夏になると、青は空と海の色で、地球を包む宇宙の色でもあると、より一層強く感じる人も多いかもしれない。その青が最も美しく本領を発揮するのがこの季節だと思います。連日の気温が32度〜34度という、真夏の湯気の上がるような空気を色にたとえたならば、炎の赤により近いオレンジ色ではないでしょうか。その色にぐるりと囲まれ、熱さと暑さで散漫になっている私たちの視覚は、鮮やかさも明るさも持ち合わせながら、沈着冷静で寒冷の感情を与える青い色を追い求め、無意識にもバランスを保っていこうとしているような気がします。目がその色に注目するのは、色の持つ意味を必要としているのだと感じてください。
 
 気持ちを集中させる、といわれている青い色にもいろいろあります。代表的なところでコバルト・ブルー。18世紀後半に発見された色で、コバルトアルミン酸塩の顔料であるということで名付けられたものです。それまで絵画の歴史の青色絵具はとても貧困だったらしく、この発見はたちまち有名になるほどの事件であったと伝えられています。それから私たちに馴じみのある群青色。日本画の代表的な青色絵の具の色名です。安土桃山時代には襖絵、壁画、江戸時代には屏風絵などに金箔とともにふんだんに使われている、じつに豪華絢爛な青色なのです。また、藍染めの青は最古の植物染料の色とされ、昔から庶民の日常のくらしの中で生きています。藍染めはマムシ除けになると言われ、野外で働く人や旅をする人はたっぷり藍に浸して濃く染めた紺色の足袋、野良着を必需品としてきたのです。
 色は人の好き嫌いでふり分けられる運命にあるのですが、青は常に75%の支持を得る評価の高い色とされています。それは永遠の憧れである海と空の色でもあるし、あの天才画家ピカソも「青」にとりつかれた時代を過ごしたほどの神秘性と精神性が、どこかに隠されている色だからかもしれませんね。

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