1.2019~2021年度 広島ガスグループ中期経営計画
(1)基本方針
今の日本は、大きな変革期にあります。超高齢化社会の進展や、AIやIoTを始めとする技術進化の加速などにより、産業構造が大きく変化していくなかで、エネルギー業界においては、2016年4月から電力の小売全面自由化、その1年後の2017年4月からはガスの小売全面自由化がスタートし、歴史的な転換点を迎えました。
エネルギー事業を取り巻く環境が急速に変化していく中で、広島ガスグループとしての将来のエネルギー事業の方向性について、早期に示す必要があると考え、2018年10月30日に「広島ガスグループ2030年ビジョン」を公表いたしました。
当社グループは、エネルギー市場の自由化等の環境変化を好機と捉え、エネルギー基本計画を踏まえたグループ戦略を推進してまいります。
- 基本方針1:
- 総合エネルギー事業の更なる普及拡大を通じた、省エネ・省CO2への貢献とエネルギーサービス周辺事業の強化による事業拡大を図る。
- ガス販売量の拡大
- グループ・他事業者との連携・拡大
- マーケティング強化によりお客さまニーズを反映した料金・サービスの検討・実施
- 低廉・安定かつフレキシビリティのある原料調達の継続と更なる推進
- 製造・供給ネットワークの整備・増強
- 原料調達等の上流活動の強化
- ガス小売全面自由化への対応
- グループ最適体制の検討
- エネルギー供給周辺サービスの強化・充実を図り、お客さまのロイヤルティの向上と生涯価値の確保を追求
- 中四国ガス事業者での連携強化
- 業務提携先との提携強化・販売体制の検討
- 行政・関係各所とも連携し、総合エネルギー事業の普及拡大を通じて、省エネ・省CO2およびエネルギーセキュリティの向上に貢献
- シンガポール事務所を通じた海外事業展開の可能性について調査・推進
- 基本方針2:
- 環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じた、環境負荷低減に資する施策を推進する。
- 再生可能エネルギーの普及拡大
- 分散型エネルギーシステムの普及拡大
- ゼロエミッション実現に向けたエネルギーミックス
- 脱化石燃料の流れに対応した事業基盤の構築
- 基本方針3:
- デジタル技術の活用による高付加価値の創造を図ることによって、新たな価値創造と業務効率化を推進する。
- ICTを活用した生産性の向上
- デジタルワークスペースの整備による新しい働き方の実現
- スマートデバイスを活用した業務効率化の推進
- デジタル技術の活用による人材育成と技能伝承の充実強化
- スマートメーターの普及、EMS等の先進技術の導入による魅力ある街づくりへの貢献
- IoT、AI技術の導入によるお客さまサービスの充実
- 基本方針4:
- グループ組織力の強化につながる創造性豊かな人材の育成と活用により、グループ総合力の向上を図る。
- 多様で柔軟な働き方が実現できる環境の整備
- やりがいや働きがいが持てる、魅力ある職場作り
- 生産性向上に向けた意識改革の推進
- お客さまの期待を超えるサービスの提供に向けた創造性豊かな人材の育成
- 教育・キャリア形成支援の強化
- 付加価値の高いプロ集団に向けた人材育成
- グループ・部門を越えたコミュニケーション向上支援による一体感の醸成
- グループとして成果を最大化できるグループ機能整理・連携強化
- コンプライアンス(法令遵守、企業倫理)に則った公正で透明性のある事業活動の推進
- 人権啓発活動、コミュニケーション活動の強化
- グループ全体での要員管理と人材交流の推進による機動的な要員配置、リスク管理および連携強化
- 基本方針5:
- 安心安全の更なる追求により、エネルギーセキュリティの向上を図る。
- 保安レベルの向上(経年導管の取り替え促進、広域保安、保安周知 等)
- 災害対策の強化(地域連携、防災投資 等)
- 安定供給の強化(原料調達、インフラ整備)
- 基本方針6:
- 社会貢献活動の推進を通じ、地域社会と共に発展する企業グループをめざす。
- 地域に根差したエネルギー供給を担う企業として、地域の活性化・発展に資する活動の推進
- 環境基本理念および環境行動指針に則った環境保全活動の推進(環境負荷の低減、お客さま先での省エネ・省CO2実現への貢献、地域・社会と連携した環境啓発活動 等)
- 新たな活動の枠組みによる活動推進
- 社会貢献活動の検証
- 基本方針7:
- グループ経営基盤の強化を図り、強靭な企業グループの構築と持続的な発展をめざす。
- 収益力、資本効率の向上に資する事業ポートフォリオの見直しや経営資源の適切な配分
- グループ機能再構築の推進
- 収益向上につながる組織機能の強化と経営効率化の推進
- 基本方針8:
- 地域社会からの信頼につながる経営を推進する。
- 社内外への適時・適切な情報開示(IR活動の展開・強化等)
- 事業活動および財務報告の適法・適正性確保に向けた内部統制への継続的な取り組み
- グループ経営管理、コーポレート・ガバナンスへの継続的な取り組み
(2)ガス需給計画
- (都市ガス事業)
- 卸供給を含めたガス販売量合計については、年平均2.5%増加の2021年度635百万m3を計画しております。2020年ビジョンの販売量目標である6億m3については、2019年度に達成できる見込みです。
- (LPG事業)
- 卸を含めたガス販売量合計については、年平均1.5%増加の2021年度93千トンを計画しております。
単位 | 2018年度 (見込) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 3年間 平均伸び率 |
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都市ガス (卸供給含む) | 百万m3 | 588 | 606 | 627 | 635 | 2.5% |
LPG | 千t | 89 | 90 | 92 | 93 | 1.5% |
(3)設備投資計画
LPG事業においては、コミュニティーガス団地における経年劣化した導管をPE管等の耐震性の高い導管への取替を促進することやお客さまの軒先でのシリンダー転倒防止等の保安対策を実施してまいります。
2018年度 (見込) |
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 3年間合計 (2019~2021年度) |
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広島ガスグループ | 75億円 | 78億円 | 76億円 | 102億円 | 256億円 |
(4)エネルギーセキュリティ向上への取り組み
- 1)地域社会の皆さまが日頃から安心して生活頂ける環境整備
- 安定したエネルギー供給(原料調達・インフラ形成など)や防災対策および保安の高度化など、お客さまから「安心してご利用頂けるエネルギーやサービス」の提供を図る。
- 2)提供するエネルギーサービスに対しての安心
- お客さまが、広島ガスグループが提供するエネルギーやサービスに対して、不安を感じることなく安心してご利用いただくために、総合エネルギー事業の拡大をめざす中で、あらゆる「安心の備え」を図る。
- 保安レベルの向上(経年導管の取り替え促進、広域保安、保安周知 等)
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- 国・日本ガス協会のガス安全高度化計画に即した対応
- Gas Vision 2030の確実な実施
- 高水準の保安レベルの維持・向上
- 人材育成・教育体制の強化(グループ一体となった保安人材の育成、事故防止対策および地震防災対策等への取り組み強化)
- 災害対策の強化(地域連携、防災投資 等)
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- 地震対策への取り組み推進
- 津波・浸水対策への取り組み推進
- 災害時対策への取り組み推進
- 安定供給の強化(原料調達、インフラ整備)
-
- 安定供給への取り組み推進
- 需要拡大への対応
- LPガス事業における物流体制の強化
(5)エネルギー市場自由化対応
ガス小売全面自由化に対する取り組みとして、お客さまの新たなニーズに対応し、選択し続けていただけるよう、料金・サービス等の営業施策を検討・実施してまいります。
お客さま向けサービスとして、「Web会員サイト」「ポイントサービス」「くらしサービス」を2017年から開始しております。これらのサービスを通じて、これからも選択され続けるようお客さまのご期待に応え、信頼関係を強固なものにしていくことをめざしてまいります。
新料金プランの展開といたしましては、昨年7月から、保育所、学校、老人福祉施設を対象とした、「学びと長寿応援プラン」をスタートしております。
今後も、更なるサービス向上を目指し、新たなサービスメニューの充実について、引き続き検討し、地域の活性化に貢献していきたいと考えております。
さらに、既存事業との相乗効果を図るべく、再生可能エネルギーなど、環境への貢献につながる事業展開と次世代エネルギーの研究を通じ、総合エネルギー企業としての発展をめざしてまいります。
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