昭和後期
天然ガス時代の幕開け
 日本の都市ガス原料は、石炭に始まり、その後、石油に変わりました。一方で、天然ガスはメタンを主成分とし、無公害、高カロリーのエネルギーという点で、石油系エネルギー代わる理想的な都市ガス原料として注目されていました。海外での天然ガス利用の歴史は古かったのですが、日本では昭和44年に導入が開始されました。
 11月4日、横浜市磯子区にある東京ガス根岸工場の専用埠頭にLNGタンカー第1船、ポーラ・アラスカ号がはるばる6,000km航海の末、午前10時40分、もやの立ち込める根岸湾にその巨体をあらわしました。わが国LNG時代の幕開けを告げたのです。その後、昭和47年に大阪ガス、昭和52年に東邦ガスもLNG導入を開始しました。

石油危機とガス事業
 昭和48年に「第4次中東戦争」が勃発しました。これを契機に、中東の産油国が、親イスラエル政策をとるアメリカや日本などに圧力をかけるために、原油の公示価格一方的に引き上げをしました。これが「第1次オイルショック」です。
 オイルショックによる原料価格の高騰は、ガス事業にも急激なコスト上昇を招きました。これに対し、各事業者は料金改定が遅れ、経営上、重大な危機に直面しました。昭和48年には26事業者が、また、翌年には254事業者が料金改定の申請をするなど、各事業者が急激な原料の高騰への対応に苦慮した事実を如実に物語っています。


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広島ガス株式会社
HIROSHIMA GAS Co.,Ltd